
私たちの日常生活では色々な解決しづらい不快症状があります。たとえば、頭痛、肩こり、耳鳴りなどがそうです。
これらの症状が噛み合わせの歪を正すことにより消失または軽減されたということを耳にされたことはありませんか? 顎の関節の周りには多くの神経が走っており日常生活での姿勢不良やまたストレス社会におけるくいしばり等、現代社会における習慣・環境・歯並び及び修復物の不正によって噛み合わせや顎の関節が正しい位置より歪み周囲の多くの神経・血管に影響を及ぼすのではないか―ということが考えられています。
噛み合わせの不正が原因となって起こる症状かどうかはまだはっきりしている訳ではありませんが、私たち歯科医は歯並び及び修復物の不正により引き起こされた噛み合わせの不正を正す治療(以下咬合治療と呼ぶ)を行う際に、頭痛、肩こり、耳鳴りなど直接歯と関連がなさそうな悩みまで改善されることもあります。
どのようなメカニズムでこのような事がおきるのかを知りたく理解のある患者さんの御協力のもと、色々な方向から考えてみました。
下顎の運動は顎関節と多くの筋肉によってその運動が制御されています。顎関節は特殊な関節で、一つの骨で人体の左右に渡るまれな関節です。また下顎は背骨の上に乗っかっている重い頭蓋(7~8kg)にぶら下がり頭蓋・下顎共に重力の影響を受け、複雑な運動をします。ですから失った噛み合わせを再構築する作業は、この複雑怪奇な運動の行き先に全身的に見て前後左右のバランスのとれた位置に安定するようにしなければなりません。
この患者さんは治療のための基準となる諸事項(関節および噛み合わせなど)に不正がみられたため非常に苦労しました。そこで私が特別に工夫した点を以下にまとめました。
- 理想的な立ち姿勢をとっていただいた状態で修復物の作成するための噛み合わせ位置の記録にこだわりました。
- 治療中の顎の機能の良し悪しを把握する為、筋肉を押さえた時の痛み(筋触診)およびMKG(顎機能検査)による下顎の運動の通り道やその途中のスピードがどのように変わるかを参考にしました。
- 最終的な修復物を作る前に、その時点で理想的に顎が働くような仮歯をもとに治療後の安定を確認することが重要です。またその将来の長期的安定が保てるように
過去の顎の機能による顎の骨の形態変化を分析することが大切と考えました。
* 口腔骨整形科学的模型分析
* スプリント作製時、咬合採得法
* 姿勢変化
* 咬合再評価後のMRI像 (左右のバランスがとれたが円板の復位は確認できなかった)
|